
この記事は【ランメトリックス完全ガイド】の中の1記事です。セットアップから活用・AI連携まで、全体を知りたい方はこちら。

夏に遅いのはサボりではありません。しかも厄介なことに、走力が上がるほど夏の落ち幅は大きくなります。
Garminに残る13年半・1,044本・13,450kmのログを分析してわかったことを、先に結論だけ書きます。
- 同じ心拍で、夏は冬より44秒/km遅い(2025年実測)
- 同じ心拍で出せるパワーが12%落ちる
- 走行距離が倍になり冬のペースが上がったら、夏の落ち幅も18秒→44秒に開いた
月別平均ペース(同一心拍・234本)

距離10km以上、平均心拍155-165bpm、レース除外で抽出した234本の月別平均です。
心拍を揃えているので、同じ体感のきつさで走ったときのペースを意味します。
| 月 | 平均ペース | 月 | 平均ペース |
|---|---|---|---|
| 1月 | 5:18 | 7月 | 5:37 |
| 2月 | 5:25 | 8月 | 5:37 |
| 3月 | 5:16 | 9月 | 5:30 |
| 4月 | 5:15 | 10月 | 5:24 |
| 5月 | 5:20 | 11月 | 5:13 |
| 6月 | 5:22 | 12月 | 5:15 |
最速の11月が5:13、最遅の7-8月が5:37。同じ心拍で24秒/kmの差です。
9月がまだ5:30なのも実感通りで、残暑は9月いっぱい続きます。
のろりん表にだとわかりやすいね。
2025年だけで見ると44秒/km


年をまたぐと走力の変化が混ざるので、2025年の中だけで比べました。距離10〜16km、心拍150-165に揃えています。
| 時期 | 平均ペース |
|---|---|
| 2025年8月 | 5:41/km |
| 2025年11〜12月 | 4:57/km |
44秒/km。
そして8月5:41 → 9月5:26 → 11月4:52と、気温が下がるにつれて勝手に戻っています。
走力が落ちたならこんな急には戻りません。気温以外に説明がつかないということです。



確かに気温が影響してそうだね
「なぜ遅いか」はフォームのデータに全部出ていた
ここが一番面白かったところです。
同じ心拍155-165で、2025年夏と2024-25年冬を比べます。
| 指標 | 冬 | 夏 |
|---|---|---|
| 平均パワー | 317W | 279W(-12%) |
| ピッチ | 180spm | 173spm |
| 平均歩幅 | 1.13m | 1.03m |
| 接地時間 | 237ms | 255ms |
心拍は同じ。なのに出力が12%落ちて、地面を押せなくなっています。
理由は単純で、体が「走る」と「冷やす」を同時にやっているからです。
体温を下げるために血液が皮膚へ回され、筋肉に届く酸素が減る。
発汗で血液量が減れば、心拍を上げて補うしかない。つまり同じ心拍でも、その一部は前進ではなく放熱に使われている。
ちなみに有酸素トレーニング効果は夏も冬も5.0で同じでした。遅いペースで同じ効果を得ている。



夏に遅いのは、むしろ正しく走れている証拠です。
速くなるほど夏は苦しくなる


年間走行距離と夏冬差を並べると、こうなりました。
| 期間 | 年間距離 | 冬のペース | 夏冬差 |
|---|---|---|---|
| 2018-2022 | 600-850km | 5:20-5:40 | 約18秒/km |
| 2023-2025 | 1,400-1,550km | 4:50-5:00 | 約44秒/km |
2021年は576km、2022年は662kmまで落ちていました。2023年に1,389kmへ倍増させ、冬のペースが5:30台から4:50台に上がった。



その代償として、夏の落ち幅が2倍以上に開きました
速く走るほど発熱量も空気抵抗も増えるので、暑さのペナルティは絶対値で大きくなります。
約180万人のマラソン記録を解析したEl Helou(2012)も「速いランナーほど最適気温が低い」と報告していて、市民ランナーレベルでも同じことが起きているわけです。
つまり「去年より夏が苦しい」と感じているなら、それは走力が上がった証拠かもしれません。
気温別ペース換算目安
自分の数値は「猛暑日で約15%低下」でした。研究知見と合わせた目安がこちらです。
| 基準ペース | 20℃ | 25℃ | 30℃ | 33℃〜 |
|---|---|---|---|---|
| 5:00/km | 5:09 | 5:18 | 5:28 | 5:38 |
| 5:30/km | 5:40 | 5:50 | 6:01 | 6:12 |
| 6:00/km | 6:11 | 6:22 | 6:34 | 6:46 |
| 6:30/km | 6:42 | 6:54 | 7:07 | 7:19 |
湿度70%超や直射日光下は1つ右の欄が現実です。持ちタイムが速い人は、さらに重く見積もってください。
走ってはいけない日


WBGT(暑さ指数)31以上は運動原則中止、28〜31は激しい運動は中止。
気温ではなくWBGTを見てください。環境省のサイトで無料で確認できます。気温28℃でも湿度次第で31を超えます。



タイムより命が先です。
夏の走り方は3つだけ


- 心拍で管理する。 ウォッチの一番大きい枠を「ペース」から「心拍」へ。上限は冬より5〜10bpm下げる。これが最も効きます。
- 距離ではなく時間を削る。 冬60分のテンポ走は夏30分。強度は落とさない。ロング走は早朝5〜7時へ。
- 環境で引き算する。 日陰コース、明色ウェア、15〜20分ごとの計画給水。根性ではなく条件を変える。



僕も試してみる!
あなたの夏冬差は何秒か、自分のデータで計算する


ここまでの44秒はあくまで私の数字です。
暑さへの強さには個人差があります。Garminを使っているなら、同じ計算をあなたのデータでやってみてください。



プログラミングは不要で、ファイルをダウンロードしてAIに渡すだけ。簡単だよ
手順
パソコンからGarmin Connectにログインし、左メニュー「アクティビティ」→「すべてのアクティビティ」→ 画面右上のエクスポートアイコンをクリック。
CSVファイルが1つダウンロードされます。
ChatGPTかGeminiを開き、そのファイルを添付して、下の文章をコピペしてください。
Copy添付のランニングCSVを分析してください。
【対象にするデータ】
・アクティビティタイプが「ラン」のもの
・距離10km以上
・タイトルに大会名が入っているもの(レース)は除外
【出してほしい結果】
1. 同一年内で、月別の平均ペース
(平均心拍155〜165bpmのランに絞る)
2. 8月と11〜12月のペース差(秒/km)
3. 同じ条件で、平均パワー・ピッチ・歩幅・接地時間の夏冬差
【必ず守ってほしいこと】
・「最低気温」「最高気温」の列は使わないでください
・該当するランが3本未満の月は「サンプル不足」と明記してください
夏冬差が20〜30秒なら標準的。40秒以上なら、給水や時間帯から見直したほうがいい水準です。
私は44秒でした。
【必ず守ってほしいこと】は省かないでください
私の12月のログには「最高気温26℃」と記録されています。
埼玉県に住んでますが12月にそんな日はありません。
Garminの温度センサーは手首にあるので、体温で10℃以上高く出ます。AIはこれを疑わず、平気で「26℃でこのペース」と分析します。
サンプル不足の明記も同じです。該当が1本しかない月でも、AIは平均を出して言い切ります。


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まとめ
夏に「遅い」と感じているペースでも、心拍で見れば冬と同じだけ頑張っています。むしろ落ち幅が大きいなら、それは走力が上がった証拠です。
あなたの夏冬差は何秒でしたか。よかったらコメントで教えてください。



最後まで読んでいただきありがとうございました











